返報性の原理が生み出す効果とは?ビジネスでの活用事例もご紹介!

ビジネス心理学の中で「返報性の原理」を実際の仕事に活かす方法に注目が集まっています。

マーケティング部門や営業・販売職など、対人コミュニケーションスキルが必要とされるビジネスの現場で「返報性の原理」を効果的に活用したいという人は多いものです。

高島吉成
高島吉成
こんにちは、高島吉成です。
日常的に何気なく使っている「返報性の原理」は、意識的に使うとビジネスの強みになります。

交渉力・セールス力、コンバージョン率などを上げるためにビジネスの現場で実際に活用される「返報性の原理」についてご紹介しましょう。

返報性の原理について

返報性の原理について

返報性の原理とは?

人は親切にされた相手には好意を抱き、何かをしてもらった場合には何かお返しをすべきだと考えます。
好意に対しては好意を返す、譲ってもらえば譲りたい、恩を受けたら恩返しをするべきだという心理が返報性の原理です。
ビジネスの現場では先に多くの価値を相手に与えることで結果的により大きな利益を得ることが、返報性の原理を活用した手法となっています。

返報性の原理の効果を示した実験

返報性の原理について、心理学者のデニス・リーガン博士が行ったチャリティーくじの購入率調査の実験をご紹介しましょう。
実験助手と被験者の2人1組が待合室で待機中に、実験助手が飲み物を購入した後の被験者の行動を比較する実験です。
Aパターンでは自分の飲み物だけを買い、Bパターンでは被験者の分も買った後、被験者に対してチャリティーくじの購入を促して2つのパターンを比較します。
被験者の分の飲み物も買ってきたBパターンでは、Aパターンと比較してチャリティーくじの購入率が2倍も上昇しました。
くじの値段は飲み物の値段より高かったにも関わらず購入したのは「飲み物を買ってきてくれたから、何かお返しをしたい」という心理が働いたと考えられます。
好意的な相手に対しては親切にしたいという心理が働き、借りを作った相手に対しては借りを返したいという気持ちが湧く返報性の原理が働く結果が得られました。

返報性には種類がある

返報性には種類がある

好意の返報性

好意の返報性とは、人に示された好意に対して好意で返したくなる心理です。
あまり関係性が深くない間柄でも、好意を向けられた場合には相手を好ましく感じる気持ちが働きます。
先に相手を喜ばせると、契約がスムーズに取れるという経験がある人は多いでしょう。
また、親身に取引先に向き合えば、相手も親身になってくれるというケースや、アフターフォローをしっかり行ったことで紹介がもらえたケースなども好意の返報性が関係しています。

敵意の返報性

好意の返報性とは反対に、敵意を示した相手に敵意で返したくなる心理が敵意の返報性です。
あからさまな敵意はもちろん、腹の底を見せないものの悪意を抱いているような相手に対しても、敵意を返したいという心理が働きます。

譲歩の返報性

譲歩の返報性とは、譲ってくれた相手に対して譲りたくなる心理です。
相手が譲歩してくれると、自分自身も何かを譲らなければいけないという心理が生まれます。

自己開示の返報性

自己開示をされると、自分も自己開示をしたくなる心理が働くことが自己開示の返報性です。
自分のことを曝け出して話してくれる相手には警戒心が薄れ、自分自身も心を開いて相手に応えたくなる心理が働きます。

返報性の原理をビジネスで活用する事例

返報性の原理をビジネスで活用する事例

『お試し』は好意の返報性を利用したビジネス手法

試食やサンプル配布、無料体験などの『お試し』は、好意の返報性を利用した有効なビジネス手法です。
無料で食べた、サンプルをもらったという借りを作ったことで、何か借りを返さなければいけないという気持ちが生まれます。
無料体験で親切な接客を受ければ、「お返しをしたい」という心理が働いて有料の予約を入れてしまうことなどはよくある事例です。

自分の要求を通したい時に利用したい、『ドア・イン・ザ・フェイス』

高島吉成
高島吉成
譲歩の返報性を活用した交渉術『ドア・イン・ザ・フェイス』という手法があります。

本来の要求の前にハードルの高い無理な要求をし、相手が断ったら後で本来の要求をするという交渉術です。
一度、譲歩してもらったという罪悪感を抱いた相手は、次は自分が譲るべきだという心理が働きやすくなるため、要求がスムーズに通る確率が高くなります。
対人コミュニケーションが多い営業職や販売職の仕事をしている人、ビジネスで他社との交渉が必要な部門にいる人などはドア・イン・ザ・フェイスの手法を効果的に活用できると、スマートに自分の要求を通せるようになるでしょう。

Webサービスやアプリで見られる『フリーミアム戦略』

インターネット上のWebサービスや、アプリなどと相性が良いフリーミアム戦略も返報性の原理を活用した手法です。
フリーミアムは、無料という意味のフリーと割増金を意味するプレミアムを合わせた造語であり、基本サービスは無料提供して一部の人が有料サービスを利用することで利益を上げるビジネスモデルを指します。
Webサービスやアプリの業界では、サービスを活用する人の5%が有料サービスを利用すれば利益が出ると言われています。
インターネットなどデジタル分野のビジネスは実際の商品や人件費が必要なビジネス分野と異なり、サービスを無料にするためのコストがほとんど不要なため、Webサービスやアプリで大量に無料サービスを利用する人がいてもコストの負担が重くならない点が特徴です。

有料サービスに移行してもらうための付加価値は、大きく分けて4つ挙げられます。

・機能や容量を増やして便利にする。
・スピードなどの制限を解放して自由度を高くする。
・パッケージ価格など料金的なお得感をだす。
・プレゼントや限定コンテンツを用意する。

フリーミアム戦略の有名な成功例には、クックパッドやニコニコ動画、食べログなどがあります。

返報性の原理をビジネスで活用する際の注意点

見返りを求めてはいけない

良くしてあげたのだから好意を返すことが当然だ、恩を返すべきだと、初めから見返りを期待して返報性の原理を使うことは避けましょう。
好意を受け取ることで何かを強制的に返さざるを得ない状況に追い込まれると感じれば、誰でも相手を避けるはずです。
さらに与えたものを取り返そう、承認されようという態度が透けて見えれば、かえって相手は警戒心や不信感などを生ませる可能性すらあります。
見返りを求めれば、いずれ信頼も失うでしょう。
ビジネスの様々な場面で相手をさりげなく褒めたり、自分が持っている情報を提供したり、困っている場面でサポートするなど、普段から与え続けるように意識すると返報性の原理で相手の好意や感謝、信頼などを自然と勝ち取ることができます。
あえて見返りを求めないことで、与えた本人以外からも好意が返ってくる場合もあるのです。

相手が罪悪感を覚えてしまうことも頭に入れておく

返報性の原理は、使い方によっては相手に罪悪感を抱かせてしまうという大きな落とし穴があります。
お返しをしないと悪いなという気持ちから商品やサービスを購入した顧客は、1度購入しただけで縁が切れてしまう確率が高いです。
相手が罪悪感を覚えてしまえば後味の悪さが残り、リピートは難しくなってしまうでしょう。

1対1のシーンで活用する

人の心理がベースにある返報性の原理をビジネスに使う場合、人が存在するシーン、人の存在を感じさせるシーンで活用すると効果的です。
試食コーナーで購入率を上げるためには、人から提供されることが重要であり、洋服の販売であれば試着後にスタッフが声をかけることが購入につながります。
相手が自分だけに親切にしてくれた、特別に良くしてくれたと自然と感じる状態になるよう、返報性の原理は1対1のシーンで活用しましょう。
1対1のシーンで反報性の原理を活用すると、特別扱いしてもらったという心理と、断りにくい・期待を裏切りにくいという良いパターンを作れます。

まとめ

高島吉成
高島吉成
返報性の原理は、好意好意で返したいという人の本能的な心理の表れです。

ビジネスの様々な場面で好意の返報性や譲歩の返報性が使われ、成功した事例では見返りなく相手に与えることから良い結果が生まれています。
ギブ&テイクではなく、与えることを純粋に楽しむというスタンスで返報性の原理をビジネスに活かしてみてください。

また、下記ページでビジネスで使える心理学20選を紹介していますので参考にしてください。

マーケティングで使える心理学20選・コピーライティングやマーケティングに超活用できます。

ABOUT US

takashima yoshinari
1967年生まれの富山県高岡市育ち。双子座です。好きな食べ物は「激辛カレー」&「タンドリーチキン」and「鰹のたたき」。オンライン講座ビジネスの専門家です。高額塾に参加したけどWEBマーケティングを実装できない、何から手をつけて良いか分からないという経営者や個人起業家の方を手厚いコンサルティングでサポートしています。ちなみに毎日、頭にシェイビングクリームを塗ったくりTの字カミソリで剃るのがモーティングルーティーン。