スノッブ効果は、周りの人達が持っているなら自分はいらないと感じる心理現象を意味します。
スノッブ効果をマーケティングに活用すると、消費者の購買意欲を高めることができると言われています。
自社の商品やサービスを販売し提供する上では、スノッブ効果をはじめ心理学の活用が有効です。上手くスノッブ効果を活用して、消費者心理にアプローチしてみてはいかがでしょうか?
スノッブ効果は行動心理学の1つで、商品やサービス販売におけるマーケティング戦略にも多く取り入れられています。
消費者の心を掴むには、商品・サービスが持つ価値をどのようにして知ってもらえるかが重要となります。
ここでは、スノッブ効果を効果的に使う方法やマーケティングに取り入れる際のポイントをご紹介していきましょう。
スノッブ効果とは?
スノッブ効果の特徴
スノッブ効果は、周りの人達が持っているなら自分はいらないと感じる心理現象を意味します。
元々興味はあった商品でも需要が増加してしまうことで欲しくないと感じたり、逆にいらないと思っていても珍しくて手に入りにくいと知ると欲しいと思ったりする現象も同様です。
中には、「期間限定」「残りわずか」「あなただけ」などと書かれた商品やサービスを目にして、思わず購入した経験がある人もいるのではないでしょうか?
特別感がある表現や珍しさを感じるのは、スノッブ効果を活かした言葉を使った表現を使っているからなのです。
多数派を嫌う心理
希少で特別な商品・サービスは、消費者の購買意欲を刺激します。
しかし、実際に多くの人が手に取って購入したり利用したりした場合、人とは違うものが欲しいという心理が働く可能性があります。
例えば、同じ商品がたくさん並んでいる売り場を見た時に、他の人と被ってしまうかもしれないと考える人も多いでしょう。
スノッブ効果は、皆とは違う特別なものが欲しいと思っている人に対して大きな影響を与えるのです。
スノッブ効果はバンドワゴン効果と相反します。
バンドワゴン効果とは?
「皆が持っていない希少なものが欲しい」と感じるスノッブ効果に対して、バンドワゴン効果は「皆が持っているなら間違いない」と感じる心理のことを言います。
売上ナンバー1・〇〇賞受賞などと記載されている商品やサービスを見た時に、思わず惹かれて手に取ってしまう気持ちがバンドワゴン効果です。
スノッブ効果とは対になる心理現象として紹介されるケースが多いため、耳にしたことがある人もいるでしょう。
皆が持っていないから欲しい・皆が持っているから欲しいといった心理は正反対ですが、人々にはスノッブ効果やバンドワゴン効果の正反対の欲が常にあるのです。
スノッブ効果とバンドワゴン効果は相反するのに最強の組み合わせ
スノッブ効果だけでなく、バンドワゴン効果の両方を上手く活用することができると、消費者の購買意欲がさらに刺激できると言われています。
一見すると、どちらも矛盾した心理現象に思える人の方が大半かもしれません。
しかし、少し表現の仕方を変えるだけで、スノッブ効果とバンドワゴン効果の両方を取り入れることができるのです。
スノッブ効果では、商品やサービスを訴求する時に限定・特別といった希少性が感じられる表現を入れます。
反対に、バンドワゴン効果を活用する場合は、流行・大人気といった表現を商品やサービスの訴求として加えるでしょう。
では、両方を取り入れたら具体的にどのような表現になるでしょうか?
スノッブ効果とバンドワゴン効果を組み合わせると、以下のような文章になります。
「大好評完売商品が〇〇個限定入荷」
「雑誌で話題のあの商品が今だけ〇〇円」
持っている人が多い安心感と、簡単には手に入らないという希少性・特別感の両方が上手く組み合わさっています。
スノッブ効果とバンドワゴン効果を組み合わせることによって、消費者の購買意欲をくすぐることができるのです。
スノッブ効果のマーケティング活用方法
限定商品で希少性を高める
企業がマーケティング戦略にスノッブ効果を活用するなら、まず商品・サービスの希少性を高める必要があります。
期間限定・季節限定・数量限定・地域限定を記載して、消費者に「今購入しなければもう手に入らない」と思わせるのです。
期間を限定する方法は、販売期間を短めに設定することで消費者の購買意欲を掻き立てるというものですが、「期間限定」と記載しなくてもアピールできます。
例えば、「今週のお買い得品」すれば期間限定という表示がなくても、今週しか買えないと売り出し期間を設定していることが伝わります。
いつでも手に入るというアピールの仕方は、ビジネスとして相応しくありません。
なぜなら、いつでも購入できるなら今すぐに買う必要がないと判断されてしまう可能性が高いからです。
自社の商品・サービスの価値を高めるためには、消費者に対して貴重なものだと感じさせる必要があるのです。
なぜ限定しているのか理由を付ける
それは、なぜ希少性が高く、特別感があるのか理解してもらえるように理由を述べることです。
理由を正直に伝えると、ただ単に希少性が高いと謳っているだけだと思われる可能性が低くなります。
入手困難な原材料を使用しているため、限定数しか生産できないと提示したり、生産や製作に手間がかかることなどを伝えたりすれば、信憑性も増します。
商品数や販売期間が限定されているだけでは、消費者は納得してくれません。
商品やサービスのどこにこだわりを持っているのか、なぜ希少性は高いのかをきちんと提示していれば、高額のものでも価値が高いと判断してくれるのです。
“嘘”がバレると消費者からの信頼が失われる
珍しくて特別な商品・サービスとしてスノッブ効果を活用する場合、ありとあらゆる文言を駆使して希少性を謳わないようにしましょう。
数量限定と言っておきながら、いつまでも店頭に商品が並んでいると、希少性が嘘になってしまいます。
万が一消費者に嘘がバレてしまうと、該当する商品やサービスが売れなくなるばかりか、信頼を失い売上が下がる可能性があります。
一見するとお買い得に見えていても、実際は通常とほとんど変わらない価格だった場合も同様です。
スノッブ効果を活用するとしても、詐欺行為にあたるような嘘の表現は避けなければなりません。
スノッブ効果・バンドワゴン効果・ヴェブレン効果を組み合わせる
スノッブ効果とバンドワゴン効果の組み合わせは、消費者の購買意欲を刺激する効果が高いと述べました。
その他に、スノッブ効果と相性が良いと言われているヴェブレン効果があります。
ヴェブレン効果とは、商品・サービスが高額であればある程価値が高いと感じる心理現象です。
スノッブ効果・バンドワゴン効果・ヴェブレン効果の3つを組み合わせると、高額な人気商品を数量限定で販売するという方法になります。
行動心理学を、いくつか組み合わせて商品・サービスの売上向上につなげるのも戦略の1つです。
まとめ
スノッブ効果は、消費者心理にアプローチできる方法として、多くの企業で取り入れられています。
ただ希少性を高める表現をするのではなく、バンドワゴン効果やヴェブレン効果などと組み合わせて、他にはない訴求をするのも効果的です。
消費者の購買意欲を刺激するために、マーケティング戦略として活用してみてはいかがでしょうか?
また、下記ページでビジネスで使える心理学20選を紹介していますので参考にしてください。