「バーナム効果」を仕事に活かすポイント・自分を理解してもらった気になる?!

バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような特徴を、あたかも自分だけに当てはまっていると感じてしまう心理のことを言います。

そのバーナム効果をビジネスで活用してみませんか?バーナム効果は信用を得るために有効な手段です。

高島吉成
高島吉成
こんにちは、高島吉成です。
ビジネスでは顧客から信頼を得ることが重要となります。

今回は、営業や人材育成にも活用できるバーナム効果が生み出される理由や、ビジネスでの活用事例をご紹介しましょう。

人は知らず知らずのうちに『バーナム効果』を経験しています。
そんなバーナム効果をビジネス心理学として取り入れたいと考えている方も多いでしょう。
しかし、活用方法が分からなければ効果的に利用することはできません。
今回はバーナム効果がどういった心理効果なのかご紹介すると共に、バーナム効果が生み出される理由やビジネスでの活用方法についてご紹介していきましょう。

バーナム効果とは?

占いや心理テストでもよく見られる、バーナム効果

誰にでも当てはまるような特徴を、あたかも自分だけに当てはまっていると感じてしまう心理のことをバーナム効果と言います。
バーナム効果は占いや心理テストで活用されることが多く、自分でも知らないうちに経験していたという人も多いです。
占いでは、星座占いや動物占い、血液型占いやタロットカードなどの様々な種類がありますが、当たっていると感じたことは誰もが経験しているのではないでしょうか?
例えば「あなたは消極的な面を持っていますが、人とのつながりを大切にしています。」といった二面性がある曖昧な内容を述べることで、どちらか一方が当てはまっていたら、もう片方も当てはまると思い込んでしまいます。
このような体験をしている人は知らないうちにバーナム効果の影響を受けていたことになるのです。
バーナム効果が効いている特徴としては、「自分のことを分かっている」、「信頼できる人なんだ」といった安心感を生み出していることが挙げられます。
ビジネスでバーナム効果を活用すると、顧客や取引先の相手に信用を得られるでしょう。
例えば、「皆さんは」と語りかけられるよりも、「あなたは」と語りかけられた方が、自分に対して話をしていると感じられます。
自分に向けて、自分のことを思って話してくれているのだと思い、信頼度が増していくのです。

バーナム効果の歴史

バーナム効果はアメリカの心理学者バートラム・フォア氏の名前から取って『フォアラー効果』とも言われています。
1948年にフォア氏がある実験を行いました。
その実験とは、学生を対象に性格についての心理検査を実施したのです。

・あなたは他人から好かれたい、賞賛されたいと思っていますが、それに関わらず自分自身に批判的な傾向があります。
・あなたはまだ使われていない、まだ活かしきれていない能力がかなりあります。
・あなたは、条件が整えば外交的ですが、条件が整わなければ内向的で遠慮がちです。

上記の内容について学生たちはどれだけ当てはまっているかを0~5までの5段階で評価しました。
結果は平均4.26となり、高確率で当たっていることが分かります。
しかし、上記の文章は新聞に出ていた星占いから適当に抜粋し作られた文章だったのです。
当たり障りのない内容、そしてどちらにも受け取れる二面性のある文章にすることで、自分に当てはまっていると解釈してしまいます。

なぜバーナム効果を生み出してしまうのか?

プラシーボ効果との関連性

バーナム効果はプラシーボ効果と関連性があるとされており、理由としては「思いこみ」が関係しています。
プラシーボ効果は医療の分野でも活用されている心理学です。
新しい薬を作る際に、治験者に向けて薬の効果を説明して本物の新薬を飲ませるグループと偽物の薬を飲ませるグループに分かれて効果を見極めます。
すると、偽物の薬を飲んだグループの中にも薬が効いてきたと実感する人が現れるのです。
本物の薬だと思いこむことで効果を発揮するプラシーボ効果は、未だ原因が解明されていない心理効果となります。
しかし、「こうした効果があります」と言われたことで、本当に効果があると思いこみ、薬を飲んだことで症状が落ち着いたと勘違いしたのでしょう。
同様に、占いで「あなたの性格はこうです」と言われると「そうなんだ」と思い込んでしまえば、言われた性格のように行動を起こしやすくなります。
誰にでも当てはまるような言葉を自分に向けられたものだと信じることがバーナム効果でもあるので、プラシーボ効果とバーナム効果には関係性があり、プラシーボ効果があることでバーナム効果が生まれたとも言えるでしょう。

抽象的に表現している

高島吉成
高島吉成
バーナム効果は抽象的な表現を使うことで生み出されます。
バーナム効果は誰もが当てはまるような特徴を自分のものだと認識する心理効果です。
誰もが当てはまるような言葉というのは、言い換えると抽象的な言葉となります。
例えば、「あなたには優れた一面がある」といった言葉は、言われると嬉しくなる言葉ですが、どういった面が優れているのか詳しく伝えられていません。
抽象的な言葉を使うことで誰にでも当てはまる文章になり、バーナム効果が生み出されるのです。

メリット・デメリット両方を相手に伝える

バーナム効果では、メリットとデメリットの両方を伝えること、いわゆる二面性のある表現を使うことで、うまく活用できるでしょう。
例えば、「行動を起こすまでに時間がかかるが、引き受けた仕事は着実にこなすことができる」というように、最初に1文の中でメリットとデメリットが伝わっています。

「不安を解消したい」という思いからバーナム効果が生まれる

バーナム効果はマイナスな部分をプラスにして不安を解消したいという思いから生まれます。
占いや心理テストは、多くの人から支持されています。
理由として、自分が持っている悩みや不安を解消したいという思いがあるからでしょう。
占いをすることで、前向きな答えが出れば安心して前に進むことができます。
結果的に不安要素を持っている人こそ、バーナム効果が作用されやすいのです。

バーナム効果のビジネス活用事例

コミュニケーションを深めるための活用事例

コミュニケーションを深めたいのであれば、顧客の名前を呼ぶことがポイントになります。
バーナム効果は誰にでも当てはまるような内容の言葉を投げかけることです。
その際には、「相手が自分に対して言っている」ということを強調するためにも、顧客の名前をいつもより多く呼びかけていきます。
すると、相手は親近感や信頼感をあなたに対して抱きやすく、話をしっかり聞こうとしてくれるのです。

営業での活用事例

高島吉成
高島吉成
営業でバーナム効果を使う際には、誰にでも当てはまりやすい悩みを聞くことで、興味を抱いてもらうことから始まります。

例えば、「○○に不安はありませんか?」や「○○で悩んでいませんか?」などといった当たり障りのない悩みを聞くことで、自分に当てはまっていることだと感じてもらいやすいです。
同じような質問を繰り返し、具体的なデータなども織り交ぜて、さらに興味を抱いてもらいます。
最終的には商品について説明させてもらえないか確認することで、興味・関心を高めた状態から商品・サービスをアピールできるでしょう。

まとめ

相手から信頼を得るためにも、バーナム効果をビジネスで活用することは効果的です。
誰もが抱えている悩みでも、「あなた」や「名前」を付け加えるだけで特別感を作り出し、ビジネスでも効果を発揮します。
マーケティングでも使える心理学となっていますが、信頼関係を作ることにも役立つため、ビジネスにおいてはマネジメントでもバーナム効果は使えるでしょう。
ビジネスで活用したいのであれば、今回ご紹介してきた活用事例を参考に、ぜひバーナム効果を取り入れてみましょう。

また、下記ページでビジネスで使える心理学20選を紹介していますので参考にしてください。

マーケティングで使える心理学20選・コピーライティングやマーケティングに超活用できます。

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takashima yoshinari
1967年生まれの富山県高岡市育ち。双子座です。好きな食べ物は「激辛カレー」&「タンドリーチキン」and「鰹のたたき」。オンライン講座ビジネスの専門家です。高額塾に参加したけどWEBマーケティングを実装できない、何から手をつけて良いか分からないという経営者や個人起業家の方を手厚いコンサルティングでサポートしています。ちなみに毎日、頭にシェイビングクリームを塗ったくりTの字カミソリで剃るのがモーティングルーティーン。